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フラムクーヘンとピザは何が違う? 薄くて似ている、でも実は別の料理
「フラムクーヘンって、薄いピザですか?」
CONTENARTでフラムクーヘンを見た方から、そう聞かれることがあります。
確かに、薄く伸ばした生地に具材をのせて焼く姿はピザによく似ています。
そして、初めて食べる料理を説明するときには「ドイツ・アルザス地方の薄焼きピザ」と表現すると、とてもわかりやすい。
けれど、実際に食べてみると、その印象はかなり違います。
フラムクーヘンとピザ。
似ているようで、そもそもの生まれ方も、生地も、ソースも、食べたときの軽さも異なる料理なのです。
最大の違いは「生地の存在感」
ピザ、とくにナポリピッツァを思い浮かべてみてください。
ふっくらと膨らんだ縁。
もっちりした生地。
小麦の香りと発酵によって生まれる風味。
具材だけでなく、生地そのものを味わう料理でもあります。
一方、フラムクーヘンの生地は非常に薄く伸ばします。
高温で焼くことで、縁はパリッと香ばしく、中心にも軽快な歯触りが生まれます。
もちろん地域やレシピによって生地の作り方には違いがあり、発酵させるタイプもありますが、フラムクーヘンらしさを作っているのは、ピザのような「ふっくら、もちもち」というよりも、薄く、軽く、香ばしい食感です。
ここが、口に入れた瞬間に感じる大きな違いです。
トマトソースではなく、白いソース
もうひとつ、とてもわかりやすい違いがあります。
クラシックなフラムクーヘンには、トマトソースを使いません。
伝統的には、クリーム系の乳製品を薄い生地に塗り、オニオンとベーコンなどをのせて焼き上げます。
フランス北東部アルザスでは「Tarte Flambée(タルト・フランベ)」、ドイツ語圏では「Flammkuchen(フラムクーヘン)」として親しまれてきた料理です。アルザス観光局も、フラムクーヘンを地域を代表する伝統料理のひとつとして紹介しています。
CONTENARTのクラシックでは、ここにフロマージュブランを使っています。
フロマージュブランは、爽やかな酸味と乳製品らしいコクを持ちながら、重たくなりすぎないのが特徴。
そこへ香ばしいベーコン、オニオン、黒胡椒を合わせ、焼き上がりにローズマリーを添えています。
つまり、
ピザが「小麦+トマト+チーズ」を思わせる料理なら、フラムクーヘンは「薄い生地+乳製品+オニオン+ベーコン」の組み合わせ。
もちろんピザにも白いソースのものがあり、フラムクーヘンにも現代的なさまざまなアレンジがあります。
それでも、クラシックなスタイルを比べると、この違いはかなり明確です。
チーズが伸びない。それもフラムクーヘンらしさ
フラムクーヘンを初めて注文したとき、
「あれ? チーズは?」
と思う方もいるかもしれません。
ピザと聞いて想像するような、たっぷりのモッツァレラチーズが伸びる料理ではありません。
むしろフラムクーヘンでは、乳製品のコクはありながらも、全体を重くしすぎないことが大切です。
薄い生地のパリッとした食感。
フロマージュブランの酸味。
ベーコンの塩味とうま味。
オニオンの甘み。
それぞれが薄い一枚の上で重なります。
食べ進めても比較的軽い。
この「もう一切れいける」という感覚こそ、フラムクーヘンの大きな魅力だと思います。
そもそも、なぜこんなに薄いのか?
フラムクーヘンという名前を直訳すると、ドイツ語で
Flamme=炎
Kuchen=ケーキ、焼き菓子
つまり「炎のケーキ」。
一般には、パンを焼く薪窯の温度を見るために、薄く伸ばした生地を先に入れて焼いたことが起源とされています。
窯が十分に熱ければ、薄い生地は短時間で一気に焼ける。
その生地に乳製品やオニオン、ベーコンなどをのせるようになり、地域の料理として発展していったと伝えられています。
アルザスは現在フランスですが、ライン川を挟んでドイツと接し、歴史の中でフランスとドイツ双方の影響を強く受けてきた土地です。実際、1870年代以降だけを見てもフランスとドイツの間で帰属が変化した歴史があります。
そのため、この料理にも二つの名前があります。
フランス語では「タルト・フランベ」。
ドイツ語では「フラムクーヘン」。
国境を一言では割り切れない、アルザスらしい料理でもあるのです。
ピザとフラムクーヘン、比べてみると
大まかに整理すると、こんな違いがあります。
| フラムクーヘン | ピザ | |
|---|---|---|
| 発祥 | アルザス〜ドイツ南西部 | イタリア |
| 生地 | 非常に薄く伸ばす | スタイルによって厚さはさまざま |
| 食感 | パリッ、サクッ | もちもち、ふっくら、サクサクなど |
| 基本のソース | 乳製品ベース | トマトベースが代表的 |
| クラシックな具材 | オニオン、ベーコン | トマト、チーズなど |
| チーズ | 必須ではない | 多くのスタイルで使用 |
| 印象 | 軽やかで香ばしい | 生地と具材の存在感が比較的強い |
ただし、これはどちらが優れているという話ではありません。
同じように「小麦の生地に具材をのせて焼く」という方法から、まったく異なる食文化が生まれているところが面白いのです。
紅茶と食べてほしい理由
CONTENARTでは、このフラムクーヘンを紅茶と一緒に楽しんでいただきたいと考えています。
そのため、ソースには重さのあるチーズをたっぷり使うのではなく、酸味とコクのバランスがよいフロマージュブランを使用しています。
香ばしい生地とベーコンのうま味を、紅茶の渋みがすっと切る。
オニオンの甘みに、紅茶の香りが重なる。
そしてローズマリーの余韻から、もう一度カップへ。
特に、しっかりとしたコクを持つアッサム系の紅茶とは好相性です。
料理を食べ、紅茶を飲む。
また料理をひと口。
そうして往復するうちに、フラムクーヘンだけを食べたときとも、紅茶だけを飲んだときとも違う味が見えてきます。
「薄いピザ」で入口は正解。でも、出口は別の料理。
フラムクーヘンを知らない方に説明するなら、
「ドイツ・アルザス地方の薄焼きピザのような料理」
という言葉は、とてもわかりやすいと思います。
ただ、一度食べたあとには、おそらく印象が変わります。
ピザより薄く、軽く、パリッと香ばしい。
トマトではなく、爽やかな乳製品のコク。
チーズをたっぷりのせなくても満足感があり、それでいて紅茶の香りを邪魔しない。
似ているからこそ、違いが面白い。
ぜひCONTENARTで、ピザとは少し違う「フラムクーヘン」という料理を、紅茶と一緒に味わってみてください。
ハーフサイズもご用意しています。
